採用面接をしていると、「この方、すごくいいな!ぜひ一緒に働きたい!」と思う瞬間があります。
でも、そんな強い気持ちが、時に判断を曇らせることもある——。
これは、そんな“痛恨の面接ミス”のお話です。
その方は、履歴書の字も丁寧で、事前のやりとりも誠実。
面接では明るくハキハキと話され、「ぜひ現場に出てほしい!」と心の中ではすでに採用を決めていました。
面接終盤、私は思わずこう言ってしまったのです。
「もう、ほぼお願いする前提でお話ししちゃってるんですが…」
すると、相手の表情が少し曇りました。
「えっ…ちょっと考えたいです。あの、実は…」と、そこから話し始めたのは、
・現職との調整がついていないこと
・ご家族との相談がまだなこと
・そもそも本当に働くか悩んでいたということ。
…完全に、先走ってしまった。
“来てくれる前提”で進めてしまったことで、相手も本音を言い出しにくかったのだと思います。
「こちらが誠意を見せれば気持ちが伝わる」と思い込んでいた私は、自分本位になっていたんですね。
結果的にその方は辞退されましたが、その後「丁寧に対応してくださってありがとうございました」と連絡をいただき、少しホッとしたのを覚えています。
面接は、“採用する側”だけが見ている場ではなく、
“選ばれる側”もまた、じっとこちらを見ている場なんだと実感しました。
それからは、たとえ「ぜひ一緒に働きたい!」と思っても、気持ちをぐっとこらえて、
相手の迷いや状況も、まずしっかり聞くことを心がけています。
“いい人そう”だけで突っ走らず、
“いいタイミングかどうか”を一緒に探ること——
それもまた、面接の大事な役割なんだなと思います。

